人間風車

1998/11/24(火)
【アリは象を倒せるか?】

どうもフリーウエア(簡単に言えば、
ただで使ってよいアプリケーション)のOS
「LINUX」が流行っているらしい。
推定800万人(日経産業新聞98/10/1 注1)が
使っているらしい。残念ながら、
これがすっげー数かどうか、ぼくにはわからないが、
少なくとも日経産業新聞は、すっげーと言っている。

話を進める前に、
ちょっとLINUXについて紹介します
(といっても日経産業新聞の抜粋)。

LINUXは、
フィンランドの学生だったライナス・トーバルズさんが、
ネット上でのハッキング(注2)を楽しもうと
開発したオリジナルのOSで、
大学内の電子掲示板に乗せたところ、
あっという間に世界中に広がり
(構内→いきなり世界中という構造がインターネットらしくて、
おかしい)、世界中の「ボランティア」エンジニアが、
(トーバルズさんの知らないうちに)
新機能の追加やバグ修正をし、
「使いやすさや安定性は、ウィンドウズNTより上」
(個人的には「NTより上」といわれてもそんなには感心しないが)
と評されるまでにいたり、
あのビル・ゲイツ会長もがぜん危機感を強めている(本とかナァ)
というシロモノらしいです(全て、日経産業新聞のからの抜粋)。

インターネットの名前がボチボチとちまたに出始めた頃、 
その可能性について尋ねられたことがあって、
そのとき「『私の赤ちゃん見てください』
以上の情報性はあんまり期待できないんじゃないの」

と答えた記憶があります。

この予想は見事にはずれたんですが、その要因は、
「無償の善意」のパワーの見積もりの間違いでした。
僕らは、ずっと「情報」を売るという商売をしてきているので、
「そんなことタダでは教えな~い、あげな~い。」
という根性が染みついているんで、
世の中もきっとそうだろうと踏んでいたんですが、
いやいや、大間違いでした。
ネット上の「無償の善意」はすごい数と
パワー(能力)があったんですね。

さて、このLINUXは、「無償の善意」によって、
ネット上で開発、改良されていった、
ということが「新しい」ですよね。
しかも、機能もすばらしく、開発のスピードも尋常じゃなく、
話半分としても、
あのビル・ゲイツをびびらしているなんて聞くと、
人ごとながらウキウキしてしまいます。
インターネットならではの醍醐味ですねぇ。

我々一人一人が「大河の一滴である」ということを
実感させられました(ん?、ちょっと違うけど、ま、いいや)。

さてさて、このアリの集団(無償の善意)が、
果たして象(マイクロソフト)を倒すようなことが
おきるかどうなのか、楽しみ、楽しみ。

PS:

気になるトーバルズさんの現在ですが、
半導体メーカーにお勤めでもちろん巨万の富を得ることもなく
「LINUXは僕の人生のほんの一部分。
壮大な趣味」だとのたまわっているそうです
(これまた日経産業新聞の抜粋)。

いやいや「金」でない「富」はいっぱい得てますよ、
トーバルズさん。

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注1:こういうニュースを一面にする日経産業新聞はすてきだ。

注2:ハッキングというと、
なんだか犯罪めいた印象がありますが、
これは間違っています。
悪さをする人は「クラッカー」と呼ばれる人たちです。

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