人間風車

2001/08/21(火)
【2より大きい全ての偶数は、二つの素数の和である】

ノンフィクション
『ペトロス伯父と「ゴールドバッハの予想」』は、
おもしろかった。
これは数学、
特に「ゴールドバッハの予想」(タイトルの通り)
の証明にとりつかれた(伯父である)
天才数学者のペトロスについて書かれた
伝記みたいなものだけど、
いやぁ、数学者ってカッコイイと思った。
数学者というと、
定理や理論をレンガ塀のように積み重ねていく
理屈と技術系の人って思うけど、
「数学者は生まれるものであって、
作られるものではない」
っていうくらい、天分を必要とし、
さらに30代になればもう現役引退であり、
独創性と直感力が命ってあたり、
スポーツ選手とか芸術家のような存在なのですねぇ。
この本に出てくるペトロスが取り組むのは、
数学の中でも「数論」と呼ばれる分野で、
数字や数列の振る舞いを研究する(らしい)。
例えば、約数の和でできている
「完全数」6=1+2+3,28=1+2+4+7+14や
「回文素数」(頭から読んでも逆から読んでも
同じ数字の並びになる素数)
151,727などなど、整数の性質を調べるなど。
魔方陣なんかも、その一種といえるかもしれません。
最先端の数論は素人には手が出せないところに
行っているのだろうけど、
初歩の数論は、
足し算と引き算の数学力と忍耐力さえあれば、
ある程度理解できるので、
わりとしきいが低い数学です。
ところで、そんな風に、
数字や数列の不思議を研究していると、
その美しさ、複雑さに、
ついつい、絶対の真理、自然の摂理、宇宙の原理、
神の意志などを感じていくようです。
そんなとき、あまのじゃくのぼくなんかは、
こう思うわけです。
もともと10進法は、
我々の指が10本だったから発達した進法であって、
もし、我々の指が4本だったら4進法であったわけです。
このとき5より上の数字は存在しないわけですから、
上の例の完全数や回文素数なんてのも
存在していないわけです。
我々の指が10本であるのは、何十億年も前、
海中で脊椎動物が生まれたときの
ひれの骨格がそうであったためです。
その時代には、8本であったり、
12本であったりした脊椎動物もいたのですが、
偶然!我々の先祖が生き残ったから、
今、我々は10本の指を持ち、
10進法を操っているだけにすぎないわけです。
ですから、
もし宇宙に地球と同じ環境の星があったとして、
そこで我々並の知性がある生物がいたとして、
彼らが10進法を使っている可能性は、
かなり低いでしょう。
だから、10進法で表されている数字や数列が、
宇宙の原理を表しているというのは、
ちと考えにくいんじゃないのか。
ま、そう思うわけです。
ちなみに、直感として、
例えば円周率3.1415...のように
どこまでいっても終わらない数字てのも、
ひょっとしたら10進法じゃなかったら、
案外すっきりした数字になっているのかもね。
例えば、
4096なんていうパッと見あまり
規則性を感じない並びの数字も、
2進法なら111111111111と書けるみたいに。

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