人間風車

2002/05/27(月)
【小さな力の大きなつながり】

演算速度は、
約25テラフロップ(1テラフロップは1秒間に1兆回の演算)で、
(スーパーコンピュータの2倍くらいの速度らしい)
今までに50万年のコンピューティング時間、
1日で1000年の処理ペースで働いていて、
管理費は50万ドルなんていう「パソコン」が世の中にあるんです。
といったら驚きません?
(って、コンピュータに詳しくない人は、
全然驚かないかもしれないけど)
タネをあかせば、これは、
SETIの分散コンピューティングの結果です。
http://www.planetary.or.jp/setiathome/home_japanese.html
SETIというのは、前からなんどもおもしろい、
おもしろいと言っているプロジェクトで、
宇宙からの電波がただのノイズか、
宇宙人からの信号かを調べるプロジェクトで、
とんでもなく膨大なデータを調べなくてはいけないため、
世界中のインターネットにつながっているパソコンに、
そのお手伝いを願うというプロジェクトです。
現在では、世界226ヵ国、
260万人におよぶ人々が協力しているらしいんですが、
その総スペックが上のような結果になるわけです。
協力者のパソコンのスペックは大したことがなくても、
260万台が協力すると
スーパーコンピューターより早くなってしまうんですねぇ。
さすがに、260万台のパソコンを購入したら、
スーパーコンピューターより高くなってしまうのかもしれないけど、
こうしたボランティア的プロジェクトだとマシンの費用が0なのだ。
(上の費用はネットワークの維持費など)
こうした分散コンピューティングのプロジェクトは、
宇宙人探しだけでなく、タンパク質の構造分析から、
暗号解読、素数探し、
ロボット(の知能)生成までいろいろなプロジェクトがあるみたいです。
興味のある方は、以下のリンク集を参照してください。
http://www2.117.ne.jp/~mat/dcomp/shoukai.htm
今まで大きな数を必要とするには、小さな数を沢山集めるより、
大きな数を1つ作る方が経済的と思いこんできた。
コンピュータでは、それがスーパーコンピューターにあたる。
しかし、ネットワークをうまく利用すれば、
そうでもないぞということが、
分散コンピューティングが証明してくれたわけです。
分散コンピューティングだけにかぎらず、
こうした「小さな力の大きなつながり」ってのは、
今後の社会のキーワードになっていくのかもしれない。
話はちょっとずれるけど、例えば発電。
ある地域全体で100万キロワットの電力が必要だとすると、
今までは、10万キロワットの発電所を10個作るより、
100万キロワットの発電所1個を作ろうということになっていた。
この弊害として、自然を大きく痛めつけることになった。
しかし、これを10万キロワットの発電所が10個にすると、
自然にかける負担は一気に小さくなる。
100万キロワットの発電所だと風力とか地熱では無理だけど、
小さな発電所なら、そうしたクリーンエネルギーでまかなえるから。
商売もそうかもしれない。
大きな(売り上げを産む)商売をしようとすると、
いろいろなところにコストとリスクが生じる。
この障害が、商品の豊かさ(つまり未来)を失わせている。
昔から、薄利多売なんていう言葉があるけど、
これは、大量生産、消費と商売という軸から語られている言葉なので、
ぼくが意味していることとはちと違う。
「ほぼ日」で1日で2000冊の本を売ってしまったというのは、
ミリオンセラーが「成功」という価値体系からしたら、
ぜんぜん話にならんということになるけど、ぼくなんかには、
すごく明るい話に見えたりもする。
人工知能の世界でも、
分散ロボットという分野は面白そうなんですよね。
ざっくりいうと、
1台の精巧なロボット
(たいがい、壊れやすく、そのくせ高価)を作るより、
簡単な機能のロボットをたくさん作って、
それらに協調させて働かせたほうが、
製作も代替も変更も簡単だからいいかも、
ま、そんな考え方なんですけどね。
それにも未来を感じますねぇ。
ネットワークゲームも、
きっとそちらに未来があるはずなんて思ったりもする。
う~~ん、インターネットの発達にともない、
社会や経済の構造が変わってきてる、
ずっと、そんなこと感じているんですけどねぇ、
うまく説明できませんでした。すんません。

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