人間風車

2002/06/20(木)
【振り子は両端に揺れる】

glayやサッカーのチケットを買おうとしたり、
FFXIにログインしようとしたときなど、
一度に大勢の人が押しかけると、
インターネットは、あっさりダウンしてしまう。
これをシステム構築(者)の不備と非難する人もいるけど、
そもそも、インターネットは、
同時多数の人を受け付けない仕組みなのだ。
つまり、一気に大きなもうけを
産むことができないという仕組みになっている。
これはインターネットの本質的性質といえる。
そのため、大きな売り上げを得ようとした場合でも、
短い時間×たくさんの売り上げではなくって、
長い時間×少ない売り上げという、
従来のビジネスモデルとは逆のシステムを取らざるを得ない。
このため、従来のモデルしか評価できない人には、
「インターネットは儲からない」という結論になるし、
インターネット上で従来の仕組みを成立させようとする人たちは、
立ち往生してしまう。
インターネットは、長い時間×少ない売り上げに向いている。
それは在庫コストや出店コストが非常に小さいからだ。
従来の実店舗だと、
売り上げが小さいと在庫や出店コストがかさむので、むつかしい。
いろいろな商品×少ない売り上げ
というモデルについても同様なことが言える。
もっとも製造レベルでは、インターネットであろうと、
実店舗であろうと、
多品種製造の負荷は同じはずという指摘もある。
しかし、インターネットでは、
前もって顧客のリクエストを受け付けたり、
予約を受け付けたり、注文数を予想したりがしやすいので、
ある程度のリスク回避は可能である。
他人との小さな差別化というニーズに応えるためには、
多品種×少量生産のサービスはさけられないだろうし、
それでいて、
他人と何か共通な価値観を持っていたいという
ニーズに応えるためには、
商品に口コミという付加価値をつける必要があるのかも知れない
(大量の宣伝広告というトップダウン的戦略は、
どんどん通用しなくなっている気がする)。
その場合は、どうしても、発売スパンはある程度長くなる。
この場合、インターネットは、「口コミ」の手段としても機能する。
(すでに昨今のラーメンブームは、
インターネットでの評なしでは成立しなくなっている)
こうして見ていると、インターネットでのビジネスが、
口コミ、少量生産、受注後生産などなど、
産業革命以前の商売のシステムに
似ているというのはとてもおもしろい。
(その昔、靴屋は客の注文があってから靴を作った)
こんなとき「振り子は両端に揺れる」ということわざを思い出す。
ふりこは、一方の極端から他方の極端へと揺れ戻しながら、
やがて中央で止まるというのだ。
今、大量生産、大量消費という極端から、
逆の極端へ揺れ戻そうとしている時代なのかも知れない。
(逆の極端は、一人一品種か)
ひょっとしたら、あと100年もしたら、
18世紀から20世紀まで、世界は大量生産、
大量消費という馬鹿げた仕組みにとりつかれていた、
なんて言われるのかも知れない。

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