人間風車

2002/07/05(金)
【結線力】

ほぼ日の本「海馬」は、ホントおもしろいです。
ジャンルとしては、大脳生理学なんでしょうけど、
そう言うことに知識のない人、
興味のない人にも十分に楽しめる本です。
んで、おもしろかったですメールを出そうと思って、
なにがそう自分にはおもしろかったんだろうと、
頭の中を整理してたんですけど、
新しい事実とかっておどろきじゃないんですね。
新しい解釈、理論、哲学ってのともちと違う。
日常にそった話の展開だからという本人達のウリとも違うなぁ(笑)
(ボク的にはね)
じゃあ、なんだろうと考えてみたら、
点の集合じゃなくって、
点と点を結ぶ線が書かれていることだろうな、とおもいました。
科学本は、通常、科学的事実を系統立てて書いていかないと、
正しいものでなくなってしまう。
プロの人たちは、正しくないものは商売上書けないし、
正しく並んでいることがわかりやすいことであるという
科学者らしい考えも持っている。
しかし、事実(点)が正しく配置されている本は、
つまらないってことも少なくない。
ぼくら素人にとっては、
全ての「点」がおもしろいわけじゃないし、
全ての「点」を理解したいわけじゃないですからね。
自分の気に入った点だけを読み散らかしたい。
(所詮、娯楽のいっかんだから)
そうなると、全部の点がもれなく、
正しく並べられているっていうのは、
逆にありがた迷惑になることすらある。
まず「海馬」にはこれがない。
っていうか「点」の数も相当少ない。
なぜならば、ホストの糸井さんが、
上のような素人根性丸出しで質問しているです(笑)。
代わりに「海馬」には「線」が見えます。
普通の科学書にも線は見えるのですが、
それは容易に想像がつく結線であって、
そこには驚きがない。
それに対して、「海馬」では、
普通の科学書では結ばれないような点と点を
「あ、ここつながりますね」ってな感じでつなげている。
ここでも、イイ意味の素人っぽさと持ち前の勘の良さが生きている。
糸井さんがむすんだ幻の線を池谷さんがきちんと実線にしている。
「あ、そことそこ、結びますか」と言った具合に、
二人で編み出したその線たちの模様がぼくには新鮮に感じられた。
そんなところじゃないかと思った次第です。
科学にかかわらず、大事なのは、知っている点の数ではなく、
線で結びつける力だと思います。
クイズ王じゃあ、偉大な発見や発明はできないのです。
するどいなぁと思う人って、
誰もつながるとは思っていなかった点をつなげてしまう、
その結線力がすばらしいってのありますからね。

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