人間風車

2003/09/25(木)
【原作】

映画にも漫画にも原作という職種がある。
原案ということになれば、
音楽にだって出版にだって
しかし、ゲーム業界では聞いたことがない。
もちろん、そういう役割はあるが、
それだけで食べていける、
いや、それだけで対価が払われることはない。
アイデアだけでは誰もお金を払ってくれないのだ。
ゲームの場合、グラフィック制作やプログラム、
音楽制作などに対してのみ対価が支払われる。
だから、大きな企業内での分業体制に組み込まれていない者で、
アイデアを生み出すのに得意な人は、
それ以外の「作業」で対価を得るより他ない。
昨今、アイデアが枯渇しているとか、
ゲームはアイデア次第とかいっているわけで、
ならば、純粋にアイデアだけに対しても、
対価を支払うべきだと思うのだが、
残念ながら、アイデアはモノでないため、
対価の対象とならないのが、
日本社会の価値観である。
一方、
ゲームの企画を作ることとゲームに作り上げることは、
本来は別の能力である。
ゲームのアイデアだけを考えるのが得意な人もいれば、
人のアイデアであっても、
うまくゲームに仕上げる能力のある人もいる。
もちろん、その両方が得意の者もいるが。
こうした役割分担はすでに存在していそうだが、
企画を考えた人間は、
そのゲームが完成するまで
そのプロジェクトに拘束されるのが一般的だ。
企画を考える時間と、その後のゲームに仕上げる時間では、
必要な作業時間が異なる。
だから、いくつものプロジェクトを
並行的に立ち上げていかなくてはならない場合、
企画を考える者は、その企画が十分に詳細まで作られた時点で、
そのプロジェクトを制作者にゆだね、
次の企画を考えるほうにまわったほうが、合理的である。
なのにこうした分業システムが成立しないのは、
上にあるようにアイデアだけでは対価が支払われないからだ。
企画だけを提供するプロというのは存在しえないのが現状だ。
これは間違っている、というかもったいない。

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