人間風車

2004/07/15(木)
【ワン・アイデア】

某パブリッシャーのプロデューサーから聞いた話だけど、
その会社では今いくつかのDS用の企画が頓挫しているらしい。
DSにはタッチセンサーがついているので、
今まで十字キーでしか操作できなかった呪縛から解き放たれ、
今までにない遊びがいくつも思いつく。
手書きの絵をそのままゲームキャラに使ったり、
3Dのオブジェクトをスタイラスで変形させたり、
書いた線の「強さ」でバトルする。
書いた線でアイテムを受け取ったりはじき飛ばしたり、
スタイラスで叩いたり、掘ったり、削ったり、、、
そういうアイデアはいくらでも思いつく。
(そういう意味ではいいハードだ)
で、その会社でもそうしたアイデアを軸に
企画を進めていたらしいのだが、
そういうワン・アイデアっていうのは、
そう簡単には「膨らまない」。
短編小説を膨らませても
おもしろい長編小説にならないのと同じで、
大きなゲームのアイデアと
ワン・アイデアものは所詮別物なのだ。
で、頓挫するわけだ。
なぜならば、3800円の菓子箱に入れるお菓子としては、
小さすぎるからだ。
『メイド・イン・ワリオ』のように
小さなお菓子をたくさん詰めるという手段もあるが、
早々に『メイド・イン・ワリオ』の発売が決まっているので、
その手は使えない。
となれば、
3800円の菓子箱にいれる大きなお菓子にするしかない。
たいがいのワン・アイデアというお菓子は、
小さいからこそ「おいしい」ということが多いので、
それを巨大化させたところで、
ちっとも「おいしく」ならない。
巨大化させる手段すら見つからないこともある。
そうして行き詰まり、頓挫するのだ。

これが今のゲーム業界の最も「痛い」ところの一つだ。
3800円という大きな菓子箱は必要なの?
絶対その大きさの菓子箱じゃないとダメなの?
ってところに発想がいかないのだ。
クリエイターは、ワン・アイデアという小さいお菓子を発明し、
おそらく、
一般ユーザーも小さなお菓子(箱)も望んでいるはずだ。
そりゃあ、たまにはどかっと食べたいときもあるだろうけど、
たまには、
キャラメルのような小さなお菓子だって食べたいはずだ。
じゃあ、誰が困るか。
流通と販売だ。
今まで画一的な大きさと値段でしか売ってこなかったので、
それ以外のサイズには対応できない。
(対応できないはずはないから、
やりたくないのだとしか言いようがない)
他のオモチャは値段もサイズもバラバラなのに、
ちゃんと流通しているっちゅーのに。

ということで、ワン・アイデアでは企画が通らない。
無用に大きくするか、数を多くするか以外に手がない。
せっかくDSというハードが新しいアイデアを可能にしても、
またDSの開発環境が、
小さなお菓子でも成り立つような開発コストを可能にしても、
ユーザーがそうした小さなお菓子を求めていても、
その中間のシステムのために、そういうお菓子はでないのでR。

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