人間風車

2006/09/19(火)
【平行仕事】

1つのプロジェクトを走らせているときに、
もう1つプロジェクトを走らせたいと、
クライアントに提案するのはなかなか勇気がいる。
相手が困惑する様子が容易に想像できるからだ。

今走っているプロジェクトに情熱をなくしたのか。
金に困ってるのか(笑)
他の(新しい)クライアントの方がいいのか。
などなど、
そう心配する様が容易に想像できる。
さらに、
なんで他のプロジェクトを走らせることが、
今のプロジェクトにもいい結果になるなんて理屈、
なかなか理解してもらえそうにないと思うと
さらに口が重くなる。

人間の脳にはワークエリアがある。
脳の大部分ははなっから何に使うか役割が決まっているが、
そうでなく、何に使ってもいいエリアのことだ。
共同作業用の机のようなもんだと考えるとわかりやすい。
1つの作業がはじまると、
その「机」にいろんなメモや図面や道具が置かれる。
もう1つの作業が始まると、
空いているスペースにその作業用のものが置かれる。

現代人は起きてから寝るまで、
実に多くの「作業」をこなすことになる。
同時に仕掛かり状態になる作業もとても多い。
ワークエリアはあっという間に空きがなくなる。
新しい作業をする余裕がないだけでなく、
今、「机」の上に乗っている仕事も今以上に拡張できない。
こういう状態が
「考えがまとまらない」
「いいアイデアが浮かばない」
だったりする。

こういう状態は誰にでも起こり、実は誰もが解決している。
気分転換というやつだ。
気分を転換するために、全く新しいことを積極的に行おうとする。
こうなると、
もうスペースをこじ開けてなんてレベルではなくなる。
一旦、机の上のモノをすっかりどけてしまわなくてはならない。
このことが功を奏す。
気分転換の作業が終わった後には、
たっぷりのスペースがある机が残る。
ここにそれ以前に仕掛かっていた仕事を置き直す。
前よりたくさんのスペースが得られるので、
必然的に作業がはかどることになる。
ちょっとした気分転換より、
旅行などのように大きな気分転換が有効だったりするのも
こうした理由からだ。
(より大きなスペースがいる→大きなスペースが空く)

ゲーム、とくにディレクションという仕事は、
全体を把握する必要があるので、
「机」はあっという間にいっぱいになる。
しかも後半となれば、イレギュラーなことが頻発する。
その処理のためのスペースも必要となってくる。
となると常に「机」の上はモノがいっぱいで、
とっちらかることとなる。
考えがまとまらなかったり、十分に深められなかったり、
別のアイデアを思いつけなかったりと、
判断も鈍りがちになる。
かといって、
旅行に出る。
なんてことは許されない(笑)
となると、
逆転の発想で、
もう1つ大きな作業を入れてしまうというのが
有効だったりするのだ。

もっとも、これは万人向きじゃないのかもしれない。
なるべく雑音を入れないで、
1つのことに集中した方がいい仕事ができる人も多いだろう。
ただ、
本も常に5冊くらい平行して読んでいる、
(そのほうが集中できる)
「分散力だけは自信がある」
そういう性格の自分には合っているようだ。

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