人間風車

2010/05/17(月)
【文化多様性】

どういうわけだか、
最近、よく
「生物多様性」という言葉を目にする。
DNAの交配、突然変異→自然淘汰という
単純な仕組みでの「進化」では、
ベースの集団(母集団)の
バリエーションの豊かさがキモとなる。
未来に起こる大変な出来事に対して、
どのタイプ(種)が生き残れるかは、
事前にはわからないので、
いろいろなタイプの生き物を用意して、
どれかが生き残りますようにという
戦略しかとれない。
故に多様性が必要となる。
また、
似たようなDNA同士を交配させたりしても
バリエーションが生まれないので、
新しいタイプを生み出すためにも、
多様性が必要となる。

多様化は、将来のリスクへの保険であり、
現在への貢献度は低いことが多い。
現時点で、何のためにいるのかわからない生き物。
他者への貢献もしてない感じの生き物。
それどころか世界に対して害である生き物。
そういう生き物ですら、
未来のための宝となることがある。

これは生物界にのみ必要な話ではない。
将来、どのタイプが生き残るのか、
どのタイプが成長するのか、
予測不可能な業界全てにおいて
この原理は成り立つ。
多様性を失うこと、それは未来を失うことだ。
文化多様性、商品多様性も必須だ。

不況になると、
明日のことより今日のことが大切になる。
明日の多様性より、
今日売れる物を作りたくなる。
新作よりシリーズ物のリリースが多くなる。
リスク回避の心理は、
作り手だけじゃなく買い手にも働くから、
売り上げの上位もシリーズ物が並ぶ。
そうした現象が見えだしてきたら
多様化の危機の証だ。

クリエイティブの世界では
なんども
多様化→単一化→失敗→多様化→......
という循環を繰り返してきている気がする。
今はどのフェーズか。

« 田舎の静かな死 | | 作品 »