人間風車

2005/09/30(金)
夏の疲れの精算

すっかり涼しくなった。
これで仕事もはかどる。
という前に、夏の疲れの精算が待っている。
歳とともに、きっちりと精算させられるようになってくる。
今もその時期であるらしい。
歳をとっていくと、自分の体を中古車みたいに、
いたわりながらだましながら使っていかないといけない。
めんどうだ。
(そういうやりくりは、それはそれでおもしろいんだけど)

普段は、
昼2時くらいから朝の6時くらいまでは、
なんとかだましだましで働けるんだけど、
(もちろん、途中で休憩入れてるんだけど)
どーも、今は朝の3時くらいで息が上がってしまう。
息が上がっても事務仕事ならなんとかなるけど、
さすがにデザインやアイデアだしはそうはいかない。
『海馬』の氏によれば脳は疲れないということらしいから、
いいアイデアが出ないのは、脳のパワーダウンではなく、
脳から外に持ち出す体力が不足しているということなんだろうか。

そういえば、取材の度に、
「キャラクターはどうやって考えるんですか?」
と聞かれる。
きっと、絵を描く人なら誰でも困ってしまう質問だろう。
理論的に考えること、
つまりキャラクターの機能やマーケットでの受けなどを
元に無理矢理考えることもできるんだろうけど、
たいがいは、
「ふと思いつく」程度の過程(作業)しか踏まないと思う。
ボクの場合は、しいていえば、
見たモノを写すという感じが近い。
もちろん盗作ってことじゃない。
例えば空想の森の中に入り込んで、
そこで出会ったキャラを
忘れてしまわないうちに(現実にもどって)急いで紙に写し取る。
という感じがなんとなく近い気がする。
だから、このキャラクターであるべき意味みたいなものは、
ちっとも説明できない。
「見つけて、おもしろそうな姿だったから写した」
以上の理由がないからだ。


2005/09/28(水)
福招きゲー

もう一部では電車のドアのところに
『福福の島』のシールが貼ってあると思います。
10月の半ばになるとテレビCMもはじまります。
今回は、そういうコアのゲーム・ユーザー以外の所まで
とりあえず「出ました」コールができるので楽しみです。
もう『がんばれ...』のときから言っているんだけど、
ぼくらは常に、
昔はゲームをやったけど、今ではあまりやらなくなっている人、
まだゲームをやっていない人、
そういう人向けに、いやいやまだまだ
既成のゲーム(遊び)以外にもおもしろい遊びはありますよ。
ゲーム機っていうのは、
そういう意味ではとてもポテンシャルの高い装置ですよ。
(高質の映像だけじゃなくってね)
と言いたいというつもりで作ってきたので、
そういう人たちの住む場所にも
(ゲーム誌も読まないしTGSにも行かないような人たちの場所)
声が届けてもらえるのはとてもうれしい。

ただ15秒で
「少しだけ心が豊かになる、暖かくなる」
「少しだけ自分自身のことがわかるようになる」
そういう「福」を招く遊び、そういうツールですよ。
ってのがどこまで伝わるかは、ちょっとドキドキもんだ。
見た目がお散歩ゲームっぽいので、
既成のゲームを遊ぶ的な先入観をもたれるかもというあたりが、
今回のもっとも気がかりなところだ。
(もちろん、ゲーム的な遊びも入っているんだけど)
今でも心の片隅で、
メニューで「心理テスト」とか「クイズ」とか出して、
ゲームに見えちゃうとかいう勘違いなんてあり得ない。
そういう演出の方がよかったのかなーと、
ほんの少しだけ思っていたりするのも事実だ。


2005/09/27(火)
普段ゲームと特別ゲーム

ありとあらゆる分野で「二極化」と分析される。
市場がそれほど単純な構造には思えないけど、
考えるとっかかりとして「二極化」をとらえるのなら、
そう悪くはない気もする。
ゲームもまた「二極化」しているんだろうか。
少なくとも値段的には今のところしていなさそうだけど、
近頃、2000円台のソフトもちょこちょこ出だしてて、
それが売れているところを見ると、
2000円台の普段ゲームと7000円以上の特別ゲームの
二極化は進みそうな気もしないでもない。
つまり4800円や5800円っていうソフトは、
値段とボリュームのバランスがすこぶる悪い、
コストパフォーマンスの悪いソフトに見えてくる気がする。

ゲームの世界だけを見ると、
4800円や5800円ってのは平均的な値段だけど、
他のエンターテインメントと比べると、
かなり高額で「特別」なもののレベルにある。
昔ゲームをやった人を呼び戻すためには、
内容もさることながら、値段設定も是非再考してほしい。

ゲームデザインは自分たちの力でなんとかなるが、
パブリッシャーでない自分たちには、
この値段設定はどうにも手が出せないのがはがゆい。

小さい遊ぶ=小さい制作コストにすれば、
それに応じて販売価格も小さくしてくれるかといえば、
原理的にはそうなるはずだけど、
実際にはなかなかそうはならない。
現状の市場を見れば、
値段を安くしても買ってくれない(ものは買ってくれない)。
逆に少々高目でも買ってくれるからだ。
これは「おいしい」市場というより、
マニアックな内容しか求めない、
しかしそういうものには、
値段に糸目をつけないマニアしか市場にいないってことの
現れと考えた方がいいので、
どちらかというと危機的な状況のはずだ。


2005/09/22(木)
心の充電期間

うわあ、今日で今週が終わりなんだ(世間は)!
ようやくエンジンがかかってきたところなのに。
さすがに3日ウィークディはみんな効率が悪いだろう。

『福福の島』も実作業を終えたんで、
今はスカスカになった「心」に栄養を与えなくっちゃと、
展覧会に行ったり、美術館に行ったり、映画を観たりと、
久しぶりにアクティブに動いている。
ゲーム仕事に限らないんだろうけど、
ものを作っているときは、
どんどん自分から栄養が抜けていくような気がする。
出すばっかりで補充できないので、
どんどん心がやせてしまう感じがする。
なので、一仕事終わると、
一気に補充したくなる。
ただ、この余裕もいまのうち、
また年末年始はなあんもできなくなる予定。

どの業種も「差別化」の一つとして、
高齢化社会に向けての施設やコンテンツを考えているらしい。
高年齢者向けのおしゃれシャツ、
使いやすい携帯電話、大きな文字の本、
扱いやすいパソコンなどなど。
単純に全人口の1/3~1/4のマーケットになるわけだし、
意外と小金持ちらしい層ってことだから、
たしかに大切な市場なのかもしれない。

ゲームもそういう層向けに誰か準備しているんだろうか。
じじばばの嗜好を反映して、
高齢化+地方化ってのが合体させた内容なんてのは、
おもしろいかもしれない。

今のゲームのハードユーザー向けのゲームを作るのは、
どう考えたって自分には無理だし、
年齢的なことも考えると、
どちらかというと、
高年齢者向けっていうあたりのほうが向いているのかも。
っていうか、ゲームやれよ(買えよ)>俺たちの世代(笑)


2005/09/21(水)
愛知万博

とうとう、行かないなー愛知万博。
自然をどうのこうのといってて、
ロボットが一番人気ってのはどうなんだろう。
とかいう屁理屈以前に、
自分の中では大阪万博でバーンアウトしているんだと思う。

愛知万博はとても人の入りがいいらしい。
理由はいっぱいあるんだろうけど、
やはり愛知(中部)が日本の真ん中であり、
関東からも関西からも同じような来やすさがあったのも
一因じゃないだろうか。

中部出身で、ぼくぐらいの歳の者だと
たぶん誰でもこういう教育受けたんじゃないかな。
日本地図(沖縄を入れない)を半分に折ると、
ちょうど岐阜、愛知あたりが日本の真ん中になる。
(折らなくったってだいたいわかると思うけど)
で、
「美濃を制する者は天下を制す」
と織田信長が言ったと聞かされる。
だから本来は首都は中部にあるのがよろしいという論法だ。
がしかし、
現実は、その織田信長以来、
中部が政治的に話題になることは今もってない。

新しいゲームを作りたいという考え方と
新しい遊びを作りたいっていう考え方は、
似ているようで全然違う。
そのことをヒシヒシと感じる今日この頃でした。
もちろん、おいらは後者のつもり。


2005/09/20(火)
それじゃー、ウッディー・アレンになれない

ウッディー・アレンの「ポジション」ってのが、
個人的には理想としているところ。
彼の映画ってのは必ずしもメジャーっていうわけにはいかない。
しかし、作り続けられている。
個性的でいい作品が多く、多作で、それなりに暮らして行けて、
なによりも次回作が作れる。
それがうらやましいし、目標としていいるところだ。
幸い、まだ次のお話をいただいたり、
聞いていただけたりするけど、
1週間に一度は、
「ああ、もう作らせてもらえないかも」と不安に思ってしまう。
「いっそ、ゲームっぽいものを作って数字を出すか」
なんてよこしま(それでいて無謀)な考えもよぎったりするが、
そんなときは、
「それじゃー、ウッディー・アレンになれない」
と思うことにしている。

映画はせいぜい1000円程度のものだから、
ちょっと興味がある程度でも人が入ってくれる。
と同じ感覚で、つまり、
ちょっと興味があるから程度で5000円出してくれるかな。
と考えると、ちょっとこれはありえないな。
せめて2800円くらいかな。
「あ、ちょっとイイかも」程度の気分で買えるものって。
ゲームは気合いを込めて買わないといけないあたりが、
おもちゃとしては「重すぎる」要因の一つだと思う。
2800円くらいで出せる仕組みができるといいんだけど。
(って、もーそういう値段で出している所あるし、、、)

TGSがあった。
次世代マシンの発表ばかりが目についた。
今(発売のゲーム)じゃなくって、
未来(のハード)ばかりが目立っていたというあたり、
そういう流れはどーなんでしょうという気持ちプラス
自分たちが猛烈に反省しなきゃいけないなとも思った次第。

TGSに行ってみると、
ゲーム業界が不振なんて全然信じられなかったりする。
お客さんもたくさん入っている。
しかし、実際は、
この幕張メッセの中にしか客しかいないんだ。
この幕張メッセの分だけしか客しかいないんだ。
この客を取り合っているんだと考える方が妥当のようだ。
いかに幕張メッセの外にいる人に届くようにするか、
それが相変わらずの問題だ。


2005/09/15(木)
薄いコミット

とうとう4つめのipod(nano)を買ってしまった。
複数個のipodを持っている人は意外と多い。
みんな(オレを含む)、
それぞれの利用場所があるから、、、
とか理由をつけているけど、
買ってしまう、ほしいと思う根源的要求は、
どーやらそういう必然性からではない気がする。
(っていうか、
みんな自分でとっくに気がついていると思うけど)
どうしてこう買うのだろうか。
ipodの魅力の根源はなんだろうか。
携帯音楽再生装置でなくipodでなくちゃいけないのは
なぜなんだろう。
何かありそうだ。

知り合いの総合格闘技家が言うには、
総合(キックも寝技もありの格闘技)、
一つの技(キックとか関節技とか)に特化しすぎた筋肉を
作らないように注意するそうだ。
一つ一つの技の威力(筋力)は増しても、
技から技への流れ、スイッチがうまくいかなくなるほうが
問題が大きいからだそうだ。
筋肉をを制御する神経が
硬化してしまうのが危険と言うことだろう。
つまり、
それは格闘技に限らず、なんにでも言えることなんだろう。
狭い視野で見ていると、自由な発想ができなくなる。
脳のある部分だけ使っていると、他の部分が鈍化する。

今日のある打ち合わせは、
普段使っている脳(ゲームデザイン)と全然違う部分を
使わないといけない打ち合わせだったのだが、
案の定、しばらく使ってなかったその脳の部分は、
うまく働かず、気の利いたアイデアを出すことができなかった。
注意しんとなー。

で、今日の打ち合わせの中で、
遠からず、MIXIのようなSNSとネットゲームの中間点が、
ネット遊びのポイントになるだろうね。
という話がでた。
誰かとつながっていたい。
スタンドアローンじゃ寂しい。
が、そのコミットの濃度はそう濃いものじゃないはずだ。
(とくに見ず知らずの人とのコミット)
『ninten dogs』の「すれ違い通信」(だっけ?)
くらいの濃度が今の時代にあっているんだろうな。
ネットゲームもゲーム機のゲーム(ヘンな表現)もNSNも
そのポイントで合流するような気がする。


2005/09/14(水)
打ち合わせの連続

昨日、今日と明日とあさってと打ち合わせが連続している。
今日なんて4本、昨日も3本。明日も3本。
職種によっては珍しくないことだろうけど、
個人的には、今まであまりこーゆー経験はない。
打ち合わせも端っこで放電しててもいいようなのならいいけど、
会議の中心にいないといけないので、
そもそもしゃべらない、しゃべれない、しゃべりたくない、
おまけに人見知りの激しい性格としては、
なかなかタフな作業なわけです。
人の話を理解する、人に理解してもらえるように話す。
ってのはとてつもなくエネルギーを消費するのでした。
いやはや、会議が仕事の人っていうのはマジで尊敬します。
おいらにはできない。

しかも、自分的には、会議は仕事のうちに入らない。
その後、PCに向かって絵を描いたり仕様を練ったり、
それからが仕事なんて思っているからよけい、
ヒーヒー言っているわけです。

今週の金曜日から「東京ゲームショー」が始まる。
今回は「福福の島」の展示もあるし、
その取材もあるということで、
金曜日には会場に行く予定。
「福福の島」近くで心配そうにしているおやじがいたら、
たぶんそれがおれです。


2005/09/12(月)
森と宇宙

政治がそれでいいのかというのは別問題として、
「わかりやすい」ということが、
いかに重要かを思い知らされた選挙だった。
よくそのゲームを一言で説明してくれと言われると、
とっても困ってしまうわけだけど、
困ってばかりじゃまずいな、
ちゃんとわかりやすい、とっつきやすい一言で
言えるようにしないとなと思った。
が、こともあろうに、今度のゲームはそれが言えない(笑)
しいていうならなんだろう。
「あなたを知るツール」かな。
う~ん、今ひとつだな。

そういえば、
「今度は宇宙じゃないんですか?」と聞かれた。
そう、今回の場は森。
撲的には、森も宇宙も同じだ。
(シリアスなら森、コミカルなら宇宙。
そんなひどい分け方をしている)
なにか不思議なことが起こっても不思議じゃない世界。
なにかへんてこな生き物が住んでいても不思議じゃない世界。
なにか理不尽なルールが存在しても正しく感じる世界。
ちょっと謎めいていて、ちょっと怖い。
それがぼくの宇宙と森のイメージだ。
ヘンなものを出すには、
変な設定をなんとなく認めさせてしまうためには、
宇宙と森が一番だ。
今までに描いた本もすべて森が舞台になっている。

宇宙は今の気分ではなかなか使いにくいので、
きっとこの先しばらくは森が舞台になるんじゃないかな。
なんか、そんな気がする。


2005/09/08(木)
やる気

やる気というのは、やりはじめないと出ないもんらしいです。
やる気を司る脳の部分が、
何かをやりはじめることで刺激を受けるからです。
つまり、
「やる気が出ねーなー」
なんてやらないでいると、一生やる気が出ないわけです。
なんかとっても自分的に説得力のある説でした。

2軍というかシロウト層というか予備軍というか、
そういう層の厚さが、
その文化なりスポーツの質やレベルに直結しているんだと思う。
音楽は近所の仲間グループからサークル、路上パフォーマー、
セミプロ、、、と広く厚い2軍層がある。
きっと映画だって小説だって格闘技だってあるだろう。
ゲームはどうなんだろう。
よく知らないけど、そういう層はあるんだろうか。
ないとしたら大きな問題だろうし、
あるとしたら協力していきたいなぁと思う。
などとふと思った。

ITMSでは曲をばら売りしている。
昔はシングルを買うか、アルバムを買うか
2つの選択しかなかった。
またランダム再生なんてのもなかったので、
どの曲をシングルカットするか、
どういう曲構成にしていくか、曲数にするか、
曲順はどうするかなどの決断は、
すべて作り手が握っていたわけだけど、
ここにきてがらっと変わってきたわけだ。
きっと音楽家のアルバム作り方もずいぶんと変わるんだろうなぁ。
自分の考える順で聞かれない。
どころか、全部の曲を買ってもらえると限らないわけだからだ。
だったらオールシングルくらいのつもりで
作っていかないといけないのかもしれない。
そんな中でアルバムのような「まとまり」を出していくのは、
なかなかむつかしいことだろう。
が、買う側に立ってみればこんなありがたい話はない。
缶コーヒーと同じ値段で1曲買えるわけだから、
ずいぶんと財布のひももゆるむことだろう。
ダウンロード販売だから、
小売店の思惑というかフィルターというか圧力というか、
そういうのがかからないのは、
作り手にも買い手にも幸せなことだろう。
(もっとも、そうなればそうで、膨大な曲の中から、
どう認知してもらうかっていう
大きな問題が浮かび上がってくるんだけど)

ざっくりみれば、
ゲーム販売の実情からしてみたら、
うらやましいかぎりのシステムだ。


2005/09/06(火)
帰ってきました

ハノイで泊まったホテルはインターネット完備だったので、
すっかり仕事メールを受けたりMIXIができたりしてしまった。
便利といえば便利だけど、
ふぜーないなーとも思ったりしたので、
次回からはPCを持たずに、、、
なんてのはやっぱりできないだろうな。
むしろ、
これからはどこに行っても
地つながりならぬ電子つながりになるってことだ。
(物理的にというよりも、精神的に)
と観念すべきだな、と思った。

そういえば、昔は旅行に出るときは、
『るるぶ』や『地球の歩き方』
なんかを携えてでかけたものなのに、
今回なんて、ハノイに着いてからネットで調べたり、
MIXIやEメールで教えてもらったりして
遊びに行ったりしているわけだから、
そのあたりもすっかり様変わりしてしまった感がある。

それにしても、
どこへ行ってもドラえもんとポケモンはあるのだなーと感心した。
ワールドワイドで子供心をとらえるなんて、
どーやったらできるんだろうか。
まるっきり想像がつかないや。


2005/09/01(木)
お休み

何年ぶりかでまとまった
(といっても土日を挟んで5日)休みをいただきます。
今朝の5時17分。
あと2時間ほどでベトナムに出発。
今現在、まだ仕事が終わっておりません(笑)
(こりゃ、どれかこぼすな。
というかどれをこぼすか決めてるんだけど)

ということで、
短いですがこれにて、
行ってきますのご挨拶にかえさせていただきたいと思います。




« 人間風車: 2005年8月 | | 人間風車: 2005年10月 »