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やあどうも。通りすがりの旅の料理人だ。 包丁一本さらしに巻いて、味の奥義を求めて宇宙を旅している。 このコーナーでは、私が宇宙のあちこちで食べて感心した料理、 また私自身が考案した料理を、みなさんに紹介してゆこう。 MENU [コスモニンジンケーキ] [穴ホウレン草と宇宙マメのソテー] [カブトタケノコめし] [3色おにぎり弁当] |
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宇宙はおそろしく広く、ケーキと一言でいっても、それこそ無限に近い種類のケーキが存在する。 本来甘い物好きの私は、どこに行ってもその地の代表的なケーキは必ず食べることにしている。ところが、いざ目の前に出されてみると、うっ!とひるんでしまうことがしばしばある。外宇宙では、甘いスポンジの上に強烈な悪臭のするガーリックの実(しかも生だった)が乗っていたし、南銀河のある星では、酸っぱい味のついたコンニャクの類に、甘い唐辛子の粉をふりかけたものをケーキと称していた。おお、思い出すだに身震いがする。食を追究する旅も、これでなかなか辛いものだ。 そんなとき、宇宙のどこでもポピュラーに作られているニンジンのケーキに出会うと、ほっと一息つける。シンプルな製法ながら、結局、これがもっとも美味しいケーキなのかもしれない。 今回紹介するコスモニンジンのケーキは、北銀河のレストラン「ラ・ドゥクロワーヌ」の名物ケーキである。さすがに超がつく名門レストランだけあり、高価な水晶ハーブを用いたぜいたくな一品。さりげなく使ってあるイモ球の球が、素晴らしい食感を生み出している。 「水晶ハーブなんて、高くてとてもとても‥‥」という方は、代わりにロウソクコーンか電灯キューリの実を、細かく削ったものを使ってもいい。レモンとハーブの香りのハーモニーは失われてしまうが、十分に美味しい。いずれにせよポイントは、イモ球の球を混ぜることである。
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<作り方> 1)コスモニンジンはすりおろし、水気をよく切っておく。水晶ハーブは花と実を切り離し、実を細かく刻んでおく。 2)オーブンは180度に熱しておく。 3)バターを白っぽくなるまで撹拌し、ふるった小麦粉を入れる。 4)ボウルに卵を割り入れ、牛乳、ニンジンのすりおろし、レモン汁、イモ球の球を混ぜ、3)を加えて、型に流し込む。 5)オーブンで50分焼く。 竹串を刺して、生地が付着してこなくなれば焼き上がり。 6)網の上で冷ます。 7)器に盛り、水晶ハーブの実の刻んだものをふりかける。ハーブの花を飾りにするとよい。 好みでホイップクリームをかける。 |
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宇宙農業のメッカと呼ばれるニッカボッカ星系を訪れたとき、私はひどく落ち込んでいた。長年の研鑽の末に作り上げた、わが究極の野菜料理「貴婦人のラスタン風丸煮ドリアン添え」が、コンクールで酷評されたのだ。私は自分の味覚と包丁の技に自信を失い、濁った頭を抱えてテンガロン村の広場のベンチにぼんやりと坐っていた。 陽が傾き、広場に人影もなくなったころ、「ややや、旅のお方、どうされたのですかナ?」と耳元で陽気な声がした。声をかけてきたのは、行商人をしているという中年の男性だった。ペドロと名乗るその人物は、私を、宿がとれなくて困っている観光客だと勘違いしたらしい。あいまいにうなずいているうちに、隣の星系にあるという彼の家に泊めてもらうことになってしまった。 その夜、ペドロ氏の家でごちそうになったのが、今回紹介する料理である。 シンプルな炒め物だが、驚くほど美味だったことをおぼえている。奥さんのペドロロジータさんによれば、夫妻の故郷のペドローナ星に伝わる家庭料理だとのこと。 奇をてらわず、素材をストレートに生かす。そういう料理の基本を思い出させてくれた、私にとっては忘れられない一品である。 この料理のポイントは、ペドローナ油という、ペドローナ星で産する黄オリーブの油を使うこと。炒め物に独特の風味を与えてくれるのだ。 大きなデパートに行けば、たいてい売っている。 |
<作り方> 1)宇宙マメはさっとゆでておく。 2)ペドローナ油を熱しガーリックを炒める。 3)宇宙マメを加え、軽く塩こしょうをして強火で炒める。 4)ホウレン草を加える。やや火を弱め1分ほど炒めて出来上がり。 |
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今回は、東銀河で出会った、たいへん贅沢で珍しい料理を紹介しよう。 お金とヒマが有り余っていて、風流なものや珍しいものを探し求めている、いわゆる「粋人」たちが考え出した料理である。彼らは「散策」と称して農村に出かけ、カブトタケノコを植えている畑を見かけると、「では、ひとつ焚き火とでもシャレこみますかな」「それもよいですな、ははははは!」などとスカした会話を交わしたあげく、その畑を丸ごとその場で買ってしまう。そうして、植えられたままの状態のタケノコに米を詰め、 薪を積み、畑の上で、まだ根をはった状態のタケノコを焼いてしまうのである。もちろん畑自体は、しばらく使い物にならなくなる。 農夫からすればどうにも我慢ならない連中であろうが、こうして作られるこの料理は、たしかにたいへんに美味しい。 家庭でも、火が起こせる広さの庭があれば作れないことはない。
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<作り方> 1)カブトタケノコの上部を包丁で切り、皮から2センチほどの厚さを残して、中身をスプーン等でくりぬく。ぬいた中身のほうは、細かく刻んでおく。また、切り取った上部も捨てずに取っておく。 2)ゴボウ玉は細長くそいで、さっと湯にくぐらせておく。 3)くりぬかれたカブトタケノコの底に、月面コンブをしく。 4)水洗いした米と、ゴボウ玉、刻んだカブトタケノコの中身をまぜて、タケノコの器に入れる。上から、いっぱいになるまで水を入れ、醤油、塩を少量入れる。 5)切り取ったカブトタケノコの上部をもどしてフタをする。切れ目は、紙などで封をする。 6)焦げないよう、タケノコの底と側面を銀ホイルで包む。 7)以上の手順を踏んだタケノコを地面に立てて置き、下に薪もしくは炭を置く。 8)回りにコンクリートブロックなどといった耐火材を積み、囲いを作る。風よけのためと、火の熱を逃がさないため。手軽でおすすめなのが、天ぷらを作る時などに使われるつい立て。 9)火勢に気を配りながら2時間焼く。 |
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中央銀河のドドニエモン星は、古くから恒星間交通の要所として知られている。 なにしろ、星全体が宇宙船の発着ステーションになっているといってもいい場所である。この星に住む成人は約6億人、そのうち40%がターミナル駅の職員で、15%が旅行代理店に勤めている。いや、そんなデータはどうでもいいのだが、問題は、この星こそ「駅弁」のメッカだということだ。なんと手元の資料によれば、この星で製造販売される駅弁は、6700種類にもおよぶ。 いかに弁当好きの私でも、これらを全て食べてみるのは不可能というものだが、それでも500種類ぐらいは試食したろうか。最後には、「駅弁」と聞いただけで冷や汗が出て、心臓がドキドキするようになってしまった。食を極めるための、厳しい試練の一つであった。 そこまでしてたどりついた結論は、「駅弁は型どおりが一番!」ということだった。今日紹介するのは、西方面ターミナルの売店で見つけた、シンプルなおにぎり弁当。だが、こういう定番こそ、駅弁の醍醐味である。ホタル唐辛子など、かなり高価な野菜も使ってあるが、安く手に入る「葉」の部分を使っているのがミソ。
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<作り方> 1)御飯茶わん1杯分を3つの俵形に握り、 それぞれ、真空ワカメ、薄焼き卵、ホタル唐辛子の葉で巻く。 2)カリフラボールはさっとゆで、バターでソテーする。 3)トマトニアンは、洗って水気を切っておく。 4)星カブは薄い半月切りにし、塩少々をふってもみ、 しんなりしたら水気をしぼる。 5)星カブの葉はさっと塩ゆでして水にさらしみじん切りにする。 6)4と5をまぜあわせる。 7)いろどりよくもりつける。 8)カリフラボールのソテーはウキウキパセリの葉を敷いた上に盛り、 ウキウキパセリの実を散らす。 |
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