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Dr.森川の人間風車



#517: 唇はさみいしいんだ



2003.01.15updated


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生まれて初めてリップクリームを買った。
コンビニで東スポだけを買うのもなんだか気恥ずかしいなぁ、
というので何かないかなと思って気の迷いで買ったです。
道々ぬっていると
なんだか口紅を塗っているみたいで気恥ずかしかった。
っていうか、きょうび、
リップクリーム→口紅を連想する自分が気恥ずかしかったというか。
それにしても、唇がねちゃねちゃして、気色悪い。
どうしてみんなあんなもの塗りたいのかわからん。
つけたことないけど、口紅もきっとあんなねっとり感があるんだろう。
よくもまぁ、毎日ぬれるものだと思った。
あんなのを塗った状態で、
人の唇に接触したいなんて思うとはどういうことなのか、
小一時間問いつめたい感ありだった。
食べ物の味も悪くなるしね。
そういやあ、
昔、禁煙直後のころ、
煙が恋しいというより、
唇がさみしくってしようがなかった記憶がある。
なにかをくわえている、唇に接触させているってのは、
かなり強い快感なのだ。
考えてみれば、解剖学的には、唇は口内である。
口の中が外にめくり上がってしまった部分が唇である。
だから、唇にできた湿疹を口内炎という。
こんなことになっているのは人間だけらしく、
その理由はよくわかっていないらしい。
(デスモンド・モリスなんかは、
隠されてしまった生殖器の象徴として発達したなんていってるけどね)
そうか、だから唇はさみしいんだとふと思った。
口の中というのはともかく忙しい。
絶えず、唾液に満たされているし、
日に3回は大量の物質が入ってきて、
ゴツゴツしたり、ねちゃねちゃしたり、
熱かったり、冷たかったり、辛かったり、甘かったりするし、
たまに食べ物以外も入ってきたりするし。
ともかく刺激たっぷりの世界だ。
唇部分の細胞達もサルの時代は、
きっとそんな大忙しの世界の住民?だったんだろう。
何の因果か、外におっぽり出されてしまった唇部の細胞達は、
ヒマで仕方がないのだ。
そして太古の昔の忙しさがなつかしくてしようがないのだ。
だから、タバコを止めるとさみしがってしまうのに違いない。
学会に発表すべき理論か、
道々リップクリームをぬりながら、そう思った。

ムームーの小物達#34
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