MMTV What's muumuu

Dr.森川の人間風車



#580 リンのリサイクル



2003.06.03updated


old topics index


宇宙にリンが逃げ出していくとどうなるのだろう。
ゲームデザイナーとしての神様の最もよくできた仕様の一つに
「リン」のリサイクルモデルがある。
リンはあらゆる生物に必要な元素である。
体を作るのに必要な元素であるだけでなく、
DNAを構成する重要な元素でもあるからだ。
神様の仕様はこうだ。
全ての生物は生きるため、子孫を残すためにリンは必要不可欠。
しかも絶えず摂取する必要がある。
生命が誕生したとき、リンは活発な造山活動などによって、
地球内部から十分に供給されていた。
生命が十分な数に達したとき、造山活動を停止し、
地球からの供給はほとんどなくなった。
このため、すでに世の中に存在するだけのリン、
つまり生物の体に取り込まれている分だけのリンしかなくなったので、
リンを得るためには、
他の生物の持っているリンを奪うより他なくなった。
(あるときはそれを殺して、あるときはその死体から)
かくして、生物環の中で、リンのリサイクルができた。
我々が生まれ死ぬということは、
リンをリサイクルしている行為に過ぎないといっても
過言ではないかもしれない。
非常によくできた仕様だ。
この単純な仕組み(ルール)だけで、
生物間の食物連鎖が必然的に自律的に進む。
で、ふと思った。
たしかにこの40億年間はそれでうまくいっていた。
しかし、これからの100年後、
果たしてこのシステムはうまくいくだろうか。
仮に人間がこの先も存続し続け、
科学を進歩させ続けられたと仮定して、
宇宙へ出ることが容易になったとき
ヤバイ問題が発生する気がする。
例えば、外宇宙への移民や宇宙埋葬。
こうしたことが簡単になった時代には、
「宇宙にリンが逃げ出していくとどうなるのだろう」
という問題が出てくる。
リンは相変わらず地球からは供給されない。
一方、人間に蓄えられたリンは宇宙に逃げていく。
(移民となり、死体となり)
地球内での移民や埋葬なら、リンは存在場所が変わるだけで済むが、
宇宙に出ていってしまったリンは、そうではない。
地球からどんどんリンがなくなっていくことになる。
とすると、維持できる生物数がどんどん少なくなる。
資源がどんどん目減りしていくとき、
生物のバランスは大きく変わってしまうに違いない。
神様はそこまで見通して仕様を作っただろうか。






-