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Dr.森川の人間風車



#863 着装率1以下



2004.12.15updated


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「新しいハードは買ったけど、買いたいソフトがない」
そんな話をよく聞きます。
いや、毎回新ハードが発売のたびに、
挨拶代わりのように言われていることかもしれないなぁと
思いつつ、
「なんで?」と聞くとたいがいは
「新しいゲーム(遊び)がない、焼き直しばっかり」
という答えが返ってくる。
だったら、あなた大変ですよ。
何が大変ってこの先どんな新ハードが出ようと、
新しいゲームから出る、新しい遊びがいっぱい
なんていう状況は起こりませんから。残念!
(もっとも、
新しい遊び=おもしろい、買いたいというわけではないが)

新ハードの発売と同時にソフトを出すということは、
ハードの開発と同時にソフトの開発をするということになる。
ライブラリーなどの開発環境も同時に開発となる。
そんな中でのソフトの開発は、
ただ絵が出るようにするっていうだけでも大変なわけで、
(特に前半の)プログラマーのエネルギーの大半は、
普通に絵を出し、キャラを動かしとかいう
「基本」の再現に注がれる。
ありモノの再現ですら大変なわけだから、
遊びまで「未知」だったりしたら大変なわけで、
そんなゲームを発売時期に間に合わせるためには、
大変なマンパワー、つまり制作コストを必要とする。

それでも以前はハードの発売と同時に
新しいゲームも出ていたような気もするけど、
それは、以前なら、
「新ハード特需」という言葉があったように、
新ハードが出ると、同時に2本3本とゲームが買ってもらえ、
乱暴な言い方をすれば、
ちょっとおもしろそうなら売れた。
っていう市場があったからだ。
新しい遊びを同時発売することのコスト高も、
そうした特需で相殺できたわけだ。

しかし、たとえば今回の新ハード発売時の「装着率」
(ハード1つに対してソフトがいくつ売れたかの指数)は、
両ハードとも1を割っている。
つまり、平均すると、
ハードを買っても
同時に買ったソフトは1本以下ということになる。
つまり「同時特需」どころではないのである。
むしろ、今後のソフトの発売の様子見のあおりを受けた
「同時不況」である。

開発のコスト高+同時不況では、
フォーマット・フォルダーをのぞけば、
どのソフト会社も、新しい遊びを作れない。
となると、
新ハードに手を出さないわけにはいかないだろうから、
すでにあるゲームの焼き直しで、
作り手側も「様子見」ということになる。

ということで、この先もおそらく
「新しいゲーム(遊び)がない、焼き直しばっかり」
という問題は起こりそうだ。
新しい遊びにしないことでリスクは避けられても、
そのことがさらに市場を冷やすことは間違いがないわけで、
そのあたりが非常に悩ましい。
ただ、それもこれも、
従来のような
大型のゲームを作るとなればという話になるのであって、
そこを小型化すれば制作リスクも小さくなり、
コストが小さくなれば、ペイラインも下げられるわけだし、
何よりも一般の人は
そうしたダウンサイズを望んでいるわけだから、
解決策がないわけではない。

がしかし、
どういうわけだか、
従来成功したあるいは現在成功しているソフト会社では、
その成功体験に縛られたかのように、
「迫力ある大作で勝負」という声が強いように感じる。