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Dr.森川の人間風車



#1348 決着点



2008.06.23updated


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この間の秋葉原の事件があるたびに出てくる
ゲーム諸悪の根源論。
例えば「脳内汚染」論
ゲーム業界の人たちは、自分を含めて
1)非科学的である、あるいは偏っている
2)業界の人間が非難しても説得力がない
というような理由から、たいがい無視している。
(たぶん)

人は、あまりに不条理で衝撃的な悲劇に出会うと、
とても不安になる。
今回の事件のように「誰でもいいから殺す」
なんてのは特にそうだ。
そういうとき、心の平安のため、
なんとか「決着点」を探そうとする。
理由や原因を求めるのもその1つ。
こうした事件はたいがい、
個人的な人格の障害がもたらした
きわめて特殊な事件に違いないが、
「20年に及ぶゲーム歴が、彼の頭を壊し、
無感覚で人を殺す狂人に変えたといえるだろう」
といったような「一般論」として語り、
その一般論から導かれる問題点を改善することで、
今後はそのようなことが起こらないに違いない。
そういう「決着点」を与えようとする。

そういう「決着点」を求めること自体
悪いことではないだろうが、
こう安易にスケープゴートを作ってしまうことは
とても危険だと思う。
社会評論家ならまだしも、
プロ(精神科医)がそうした発言を繰り返すのは、
不思議で仕方がない。

子供が仮想の世界で遊ぶ。
仮想と現実の世界が区別できない。
そうした入り交じった世界で遊ぶのは
いつの時代の子供でも同じだろう。
古今東西、
全ての子供が「仮想現実失調」に違いない。
ゲームはそれを手助けする。
それはそのとおりだと思う。
しかし、ゲームがない時代でも
テレビやマンガや小説が、
それより前も
おばあちゃんが話してくれる昔話、
長老の創世神話が
子供たちを仮想の世界にいざなったに違いない。
そしてそうした体験は、
子供の精神の発達を促してきたに違いない。

以上、
説得力のない業界の一人間の個人的な発言でした。