生前大虐殺

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体外受精が簡単になってきますと、
一度にたくさんの受精卵を作ることが可能になります。
しかし、一度に育てられる、つまり、妊娠できるのは、
せいぜい1〜2つの受精卵ですから、そうした場合はたくさんの受精卵から
どれか一つを選ぶことになります。
そんなことするくらいなら、はなっから、1つの受精卵を作ればいいと言われるかも
しれません。
たしかにそうです。
しかし、進んでたくさん受精卵を作るという場合も考えられるのです。
これまた、ちょっと未来の話になります。
同じ精子、卵子も、元は同じ細胞から減数分裂するのですが、
このとき、遺伝子のどこの部分が、父親譲りの遺伝子、母親譲りの遺伝子になるかは、
全くのランダムです。
ですから、細かく言うと、同じ細胞からできた精子、卵子でも、
全く同じ精子、卵子がないと言えます。
このため、同じ精子、卵子が受精してできた受精卵でも、
厳密に言えば、どれ一つとして同じ遺伝子を持った受精卵ではありません。
(ですから、同じ親から生まれた兄弟でも、ちょっとずつ違うんです)
一方、近い将来、この受精卵の段階で遺伝子のチャックができるようになります。
となると、たくさんできた受精卵の中で、
ある意味、イイ受精卵、よくない受精卵という区分けができるかもしれません。
女性が一生の間で埋める子供の数には限りがあります。
作れる受精卵の数は、産める受精卵の数よりうんと多いはずです。
だとしたら、たくさん作った受精卵の中で、よりすぐりの受精卵を産みたい
(妊娠したい)と思う人もでてくるかもしれません。
現在の法律では受精卵は、生命ではありません。
ですから、選定から漏れた受精卵を捨てても、殺人罪にはなりません。
しかし、こうした行いを「生前大虐殺」であると指摘する科学者もいます。

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